酒粕の栄養と効能を大公開!健康効果や加熱の影響、甘酒との違いも紹介

当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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発酵食品として高い栄養価を持つ、酒粕。
酒粕は、健康や美容によい効果が期待できると近年注目を集めています。
なお、酒粕とは日本酒をつくる過程で出てくる副産物のことです。
米と米麹、水を仕込み、清酒酵母で発酵したもろみを濾した液体が清酒、残った搾りかすが酒粕なのです。
今回は、酒粕の栄養や効能をわかりやすく解説し、具体的な活用方法も紹介します。
健康を気遣う方が気になるカロリーや糖質量、甘酒との違いもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
酒粕の栄養と効能

酒粕は米由来の栄養成分に加え、麹菌や酵母といった菌体成分、菌が作り出した代謝産物を含む、栄養価の高い発酵食品です。
ここでは特筆すべき栄養素であり、健康維持に欠かせないたんぱく質、ビタミンB6、葉酸について解説します。
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体づくりに欠かせないたんぱく質
酒粕のたんぱく質量は多く、全体の約15%を占めます。
これは、牛乳やヨーグルトと比べて4倍以上も高い割合です。
たんぱく質は、筋肉や皮膚、毛髪のもととなるだけでなく、ホルモンや酵素の材料にもなるため、健康な体をつくるうえで欠かせない栄養素です。
また酒粕に含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸(※)のバランスがとれた良質なたんぱく質であるため、体内で効率よく利用されます。
(※)必須アミノ酸とは、体内で合成できないアミノ酸のこと
肌荒れ対策に嬉しいビタミンB6
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝をサポートします。
さらに、免疫機能の正常な働きや皮膚の抵抗力を増進する役割も担っているため、健康や美容が気になる方に嬉しい栄養素といえるでしょう。
ちなみに、ビタミンB6が不足すると湿疹や口角炎、舌炎などが起こります。
食生活が乱れたときに肌荒れしやすいと感じる方は、バランスのよい食事に加え、酒粕などビタミンB6が多く入ったものを意識して食べてみてはいかがでしょうか。
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新しい細胞の生産にかかわる葉酸
葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、血液中に存在する赤血球や新しい細胞を作るために必要不可欠な栄養素です。
胎児の正常な発育に欠かせない栄養素でもある葉酸は、妊娠中にも積極的な摂取が推奨されます。
一方で、酒粕にはアルコールが残っていることもあるため、妊娠中は十分な配慮が必要です。
詳しくは後ほど「アルコールは残っている?」で解説します。
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健康効果が期待される注目の成分を紹介

酒粕には、さまざまな健康効果が期待される機能性成分(※)も含まれます。
(※)機能性成分とは、必須栄養素ではないものの、健康維持や体の調子を整える効果が期待される食品成分のこと
・S-アデノシルメチオニン(SAM):アルコール性肝機能障害、関節炎などへの効果
ただし、これらの報告はまだ研究段階であるため、今後の可能性に期待したいですね。
美容に嬉しいレジスタントプロテインって?
レジスタントプロテインは、消化されにくい特殊なたんぱく質のことで、食物繊維と似た働きを持っています。
具体的な働きは、下記のとおりです。
・脂質代謝の改善
・肥満の抑制
実際、酒粕50gを3週間にわたって毎日摂った方は、便通がよくなった(排便回数、量ともに増加した)との報告があります。(※)
それだけでなく、この方々は皮膚の水分量と油分量が増加する傾向にあり、肌のキメが改善したとも報告されています。
つまり、酒粕の機能性成分として注目されるレジスタントプロテインは、健康や美容が気になる方に魅力的な成分といえるでしょう。
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酒粕のカロリーや糖質はどうか

酒粕は100gあたり215kcal、糖質18.6g(差引き法による利用可能炭水化物)です。
これは、茶碗軽く1杯分のご飯(150g)のカロリーと同程度です。
ただし、酒粕を1度に100gも口にする機会はあまりなく、前述の実験でも1日50gで健康効果が得られています。
なお一般的に、粕汁や甘酒1杯分には30gほどの酒粕を使用します。
酒粕30gあたりは65kcal、糖質5.5gですから、実際口にする量としてはカロリー、糖質ともにさほど高くはないでしょう。
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アルコールは残っている?
酒粕には8%程度のアルコールが含まれており、一般的なビールや缶酎ハイよりも高いアルコール度数です。
酒粕を加熱するとアルコールは揮発しますが、完全にアルコールが飛ぶとは限りません。
したがって、子どもや妊娠、授乳中の方、アルコールに敏感な方は、酒粕の摂取を控えた方が安心です。
料理への活用法を紹介

酒粕は定番の粕汁や甘酒だけでなく、日々の料理に幅広く活用できます。
そして酒粕を入れることで栄養価が高まるだけでなく、さまざまな調味効果も期待できるのです。
たとえば、肉を酒粕に漬けてから焼くと、独特の臭みは減り、うま味が高まります。
汁物に入れれば、うま味や風味が豊かになり、薄味でも物足りなさを感じにくくなり、減塩効果が期待できるでしょう。
また、牛乳との相性がよい酒粕は、クリーム系の料理に加えるとコクや風味が向上します。
下記に具体的な例を紹介しますので、ぜひお試しください。
・酒粕入り味噌汁:少量の湯で酒粕を溶き、いつもの味噌汁に加える
・ホワイトソース:カルボナーラやクリームシチューを作る際、牛乳とともに入れる
普段の料理にプラスすることで、酒粕の栄養を無理なく摂れるでしょう。
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酒粕と甘酒の違い
酒粕は、日本酒をつくる過程で出てくる副産物です。
一方の甘酒には、酒粕からつくる酒粕甘酒と、麹からつくる麹甘酒の2種類があります。
それぞれ原料や特徴が異なり、違いは下記のとおりです。
・麹甘酒:麹、米、水でつくる。アルコールや砂糖は含まない
したがって、酒粕に含まれる栄養を摂りたい場合には、酒粕甘酒を選びましょう。
ただし、砂糖を使用する分、カロリーや糖質が高くなりがちですので、飲みすぎには注意が必要です。
甘酒は1日1杯までなど、目安を決めて楽しみましょう。
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まとめ
酒粕は、たんぱく質やビタミンB6、葉酸などの栄養素に加え、レジスタントプロテインのような健康や美容に嬉しい機能性成分が豊富な発酵食品です。
家庭料理で使う酒粕の量は少量のケースが多いため、カロリーや糖質はさほど気にしなくてもよいでしょう。
ただし、酒粕で甘酒をつくる場合は砂糖を多く使用しますので、カロリーや糖質が高くなりがちです。あらかじめ飲む量を決め、適度に楽しみましょう。
普段の料理に酒粕を加えると、栄養価が高まるだけでなく、コクや風味も向上します。アルコールを含む点に注意しつつ、日々の食卓にうまく取り入れてみてくださいね。
それでは、当記事を参考に酒粕をみなさまの健康づくりにお役立ていただけたら幸いです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
J-Stage 健康と美容に貢献する「酒粕」の成分 酒粕の機能特性とそれを活かした商品開発



