三日坊主を克服したい人へ|食事管理や運動を無理なく続ける習慣化のコツ

当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師 石倉美希が担当しました。
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「よし、今日から変えるぞ」と決めたのに、気づけば3日で止まってしまう。食事管理も運動も続かないたびに「自分は意志が弱いんだ」と落ち込んでしまう。そんな経験はありませんか。
結論として、三日坊主は気合いの問題ではありません。続かないのは、忙しい日々の中で続けにくい始め方になっているだけです。
この記事では、三日坊主が起きる理由を「気合い」ではなく「仕組み」から整理し、食事管理や運動を無理なく続ける習慣化のコツを具体例つきで紹介します。
どうぞ最後までお付き合いください。
目次
三日坊主になるのは意志が弱いからではない

三日坊主が続くと、「意志が弱いからだ」と結論づけてしまいがちです.
けれど実際には、意志だけの問題ではありません。日常生活の中で起きる突発的な予定変更、疲労の蓄積、時間の不足といったさまざまな要因も関係しています。
「やろうと思っているのにできない」はよくあること
「やろうと思っていたのにできなかった」という状況は誰しも経験しているでしょう。人の行動は、目標や気持ちだけでは決まらず、疲労・空腹・ストレス・時間制約といった当日の条件に強く左右されます。
たとえば食事管理なら、何を選ぶか、量をどうするか、そのときの気分なども関係してきます。また、運動の場合も、いつやるか、どこでやるか、何をするかなどを決めなければ行動はなかなか起こせません。
こうした判断が積み重なるほど負担は増え、忙しい日ほど考える余力が削られます。その結果、最初の計画どおりに進まなくなってしまうのです。
真面目な人ほど自分を責めやすい
三日坊主に悩む人は、そもそも「健康のために変えたい」という気持ちが強い人です。
ただ、真面目さが強いがゆえに、以下のようなパターンになりやすいともいえます。
・ 最初から生活を一変させるようなレベルの行動を取り入れてしまう
・ 毎日できないと「失敗」と感じる
・ 一度リズムが崩れると、やめてしまう
この形だと、1回の予定変更や疲労で崩れたときに、「またできなかった」という自己評価の低下が起こりやすく、再開する気持ちも遠のいてしまいます。ご自身の状況に見合ったレベル設定でないうえに、運用ルールが厳しすぎるのです。
習慣化で重要なのは、完璧さよりも続けられることです。
できない日が出ても、再開しやすいようにしておけば、三日坊主は失敗ではなく、単なる中断になりますよ。
習慣とは何か

習慣化のゴールは頑張り続けることではなく、頑張らなくてもできる状態に近づけることです。
習慣は、やる気が高い日にだけ成立するものではありません。むしろ、忙しい日や疲れている日でもそこそこ実行できる状態になって初めて、生活の一部として定着していきます。
考えなくても動ける状態
習慣をひと言で表すなら、考えなくても動ける状態です。朝、歯を磨く習慣がついていれば、毎回何をやるべきか悩みませんよね。つまり習慣になった行動は、頭の中で手順をいちいち確認することなく実行できるのです。
人が毎日処理できる情報量には限りがあります。日常に加え、「運動をするか」「何を食べるか」「どれくらい食べるか」といった判断が加わると、負担は増えるばかりです。
判断すべき事柄が少なければ、疲れている日でも実行しやすくなりますよ。
例:
△ 「今日は何をしよう?」から始める運動
〇 「帰宅したらこれを3分だけやる」と決まっている運動
気合いよりもきっかけが大事
習慣化でよくある誤解は、「続ける=気合いを出し続けること」だという考え方です。気合いは確かにスタートの燃料になりますが、忙しさや疲労が増えると、気合いでは太刀打ちできないでしょう。
そこで重要になるのが、行動のスイッチになるきっかけです。
習慣が続けられる人も、やる気が毎日安定しているわけではなく、「このタイミングになったら、これをやる」というきっかけを生活の中に持っています。
特別なイベントである必要はなく、むしろ、毎日ほぼ確実に起きる出来事と結びつけるのがオススメです。
・ 歯みがきの後
・ お風呂に入る前(または後)
・ コーヒーを入れた直後
・ PCを閉じたタイミング
・ 帰宅して手を洗った直後
とくに毎日起きる出来事をきっかけにすると、習慣にしやすくなります。「やる気があるからやる」ではなく「その流れだからやる」というのが理想的です。
「いつやるか」だけでなく「どこでやるか」も設定するとなおよいでしょう。
例:
△ 帰宅したらスクワット
〇 玄関で靴を脱いだら、その場でスクワット5回
三日坊主にならないために

三日坊主を防ぐコツを、食事管理や運動での例も交えてご紹介します。
目標を具体的に決める
三日坊主を防ぐために、まずやることを小さく分解していきましょう。
「何を」「どれくらい」という点から整理していきます。内容が曖昧だと迷いが増え、忙しい日ほどできなくなってしまいます。
例:運動
△ 運動する
〇 ストレッチを3分する
〇 その場で1分だけ歩く(足踏みでもOK)
例:食事
△ 食事を改善する
〇 甘い飲み物は避ける
〇 間食は1日1回までにする
「できたかどうか」が客観的に見て判断できるのがポイントです。3分や5回など、数えられる目標にすると達成度を確認できます。
また、頑張ればできる目標ではなく、疲れていてもできるくらい小さい目標にすると、スタートが安定します。
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きっかけと行動をセットにする
目標が具体化できたら、次は「いつやるか」を設定しましょう。タイミングを決めておかないと「時間があるときにやろう」と後回しになりがちです。
オススメは「〜したら、その流れで〜する」というようにきっかけと行動をセットにするやり方です。
きっかけ → 行動
歯みがきのあと → スクワット5回
PCを閉じた直後 → 肩回し1分
帰宅して手を洗ったら → 水を1杯飲む
昼食を食べ終えたら → 3分だけ歩く
また、きっかけはできるだけ毎日起こる出来事を選ぶのがコツです。
さらに強く結びつけたい場合は、「どこでやるか」までセットにします。
例:
△ 帰宅したらストレッチ
〇 玄関で靴を脱いだら、その場でふくらはぎ伸ばし30秒
このように、流れを作ってしまえば意識せずとも生活に取り込まれていきます。
できなかったときの案を決める
忙しい日、体調が悪い日など、どんなに意識していても、自分の意志でどうにもならないことが起きる日もありますよね。いつもの行動ができないときのために、代替プランを作っておきましょう。
例:歩く習慣
いつものプラン : 昼食後に5分歩く
代替プラン : トイレに立ったついでに、その場で足踏み20回
例:食事管理
いつものプラン : 昼は主食+たんぱく質を意識して選ぶ
代替プラン : 甘い飲み物だけは避ける
このようにできない日の最低ラインを決めておくと、忙しさに負けそうな日でも続けやすいでしょう。
三日坊主を繰り返してもいい
三日坊主を失敗と捉えると、気分は落ち込み、再開する腰が重くなることでしょう。 けれど視点を変えると、三日坊主は悪い出来事というより、生活に合っていない部分を見直すチャンスが訪れたともいえます。
・ 行動が難しすぎた → 内容を変える・量を半分にする(3分→1分、5回→2回)
・ きっかけが弱かった → 毎日起こる出来事に変える
・ 場所が曖昧だった → より具体的に決める(玄関、洗面所、デスク横など)
三日坊主でも、再開できれば問題ありません。新しい仕組みに修正をして、再出発しましょう。
習慣化のコツ

ここまでで、三日坊主を防ぐポイントをご紹介してきました。
次は、取り入れた行動を長く続けるためのコツを3つ紹介します。どれも小さな工夫ですので、ぜひ取り入れてみましょう
目標を思い出す機会を増やす
せっかく丁寧に立てた目標も、忘れてしまってはもったいないですよね。
どんなに頑張ろうと思っていても、仕事や家のことで頭がいっぱいの日は、運動や食事管理の優先順位が低くなることもあります。そんなときは、目標を思い出すきっかけも用意しておきましょう。
・ 洗面所の鏡にメモを貼る
・ 玄関に運動用のスリッパやゴムバンドを出しておく
・ PCの横に付箋を貼る
・ スマホの待ち受けに、やる行動を1行で書く
思い出す回数が増えると、自然に実行できる日も増えますよ。
取り組みを記録する
食事管理も運動も、頑張った成果がすぐには見えにくいものです。
だんだんと「これって意味あるのかな」と感じるのも無理はありません。自分のモチベーションを保つために、記録をつけてみましょう。
細かなデータをつけようとすると、かえって面倒になってしまうので、まずは続けられていることを見える化することから始めてみましょう。
・ 歩数計とアプリを連動させる
・ 食事はアプリのデータベースを活用
・ アプリとデータ共有ができる体重計にのるだけ
記録することで、途中で途切れても戻りやすく、継続を後押ししてくれます。
弊社が開発した健康管理アプリ「シンクヘルス」は、体重・体脂肪・血圧・血糖値などの体のデータ、食事や運動などの生活習慣など、健康に関するあらゆる情報を簡単に入力、管理するアプリです。
料理名を検索したり食品バーコードをスキャンするだけで、簡単に糖質量など栄養計算まで行うことも可能で、項目が多く面倒な記録作業を省けますよ。
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誰かの力を借りる
習慣化を自力でやろうとする必要はありません。周囲の協力もしっかり活用していきましょう。
・ 家族に宣言し、やるところを見ていてもらう
・ 友達と一緒に始め、週1回にお互いの状況を報告する
・ 会社の同僚と昼休みに一緒に少し歩く
誰かが関わると、もう少し頑張ってみようかな、という気持ちが起こりやすいですよ。
また、人ではなく道具に頼るのも手です。記録やリマインドを手伝ってくれるアプリなども積極的に取り入れてみましょう。
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習慣化には時間がかかる

習慣化は、始めてすぐに定着するわけではありません。頑張らずにできるようになるまでの期間には大きな個人差があります。健康行動を対象にした研究では、「頑張っている感」が薄れていくまでの期間の中央値が66日、幅は18〜254日と報告されています。
だいたい2か月くらいは、意識して頑張っていく期間と捉えておくとよいでしょう。
数日〜1週間で途切れたとしても、「情けない」と思う必要はありません。
完璧に続けるよりも、三日坊主になっても戻れる仕組みを持ち、再開していきましょう。
今日から始める小さな健康習慣

「何から始めていいか分からない」という方のために、今日から始めやすい小さな習慣を、食事管理編、運動編にまとめてご紹介します。まずは、気になるものを1つ選んで始めてみませんか?
食事管理編
食事に関する我慢はストレスと感じる方も多いことでしょう。我慢するのではなく、ルール化してゲーム感覚でクリアしていく方が続けやすいですよ。
日中の飲み物を決める
食べ物よりも飲み物の方が気軽に変えやすく、習慣化に向いています。
目標 : 昼食の飲み物は水かお茶にする
きっかけ : コンビニで飲み物を選ぶとき
代替プラン : どうしても甘い飲み物が飲みたいときはミニペットボトルを選ぶ
最初の一口は野菜
食事内容をすべて変えるのが難しくても、最初の一口だけなら意識しやすくなります。
目標 : 食事の最初の一口は「野菜」から
きっかけ : 箸を持った瞬間
代替プラン : 野菜がない日はまず汁物または水から
夕食後に食べない
すでに習慣化している行動に結びつけると楽に取り入れられます。
目標 : 夕食後はすぐに歯みがきをして食べない
きっかけ : 食べ終えたらその場で洗面所に向かう
代替プラン : 歯みがきまで行けないときは、シュガーレスガムを噛む
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運動編
運動するための時間を確保するのはハードルが高く感じる方も多いことでしょう。毎日起こる出来事とセットにして、やるかどうか迷う時間を減らすのがポイントです。
手を洗ったらスクワット5回
手洗いは頻度も多く場所も固定されるので習慣にしやすいです。
目標 : 手を洗ったらスクワット5回
きっかけ : 帰宅して手を洗った直後、トイレ後の手洗いの直後
代替プラン : かかとを上げ下げして足のストレッチをする
PCを閉じたら肩回し30秒
仕事の終わりをきっかけにすると、やるか迷う時間をなくせます。
目標 : PCを閉じた直後に肩回し・首回しを30秒
きっかけ : PCを閉じた瞬間
代替プラン : 立ち上がって伸びを1回だけする
階段を1フロアだけ使う
運動する時間が取れない日は、移動を少しだけ運動に変えてみましょう。
目標 : 階段を1フロアだけ使う(全部やらない)
きっかけ : エレベーター前に立った瞬間
代替プラン : 少し遠いトイレに行く
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まとめ
三日坊主は意志の弱さではなく、続けにくい始め方になっているだけです。大事なのは気合いではなく、続けやすい仕組みを整えることです。
・ 目標は小さく具体的に : 「何を」「どれくらい」を決める
・ きっかけとセットに : 「〜したら、その流れで〜する」を作る
・ 代替プランを用意 : できない日でもゼロにしない
また、習慣化には時間がかかります。途中で途切れても失敗ではなく、調整のチャンスです。
まずは今日、食事か運動のどちらか1つだけ選び、目標・きっかけ・代替プランをセットで決めてみましょう。
新しい健康習慣を作りたい方にとって、本記事が役に立ちますように。
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参考文献
公益社団法人日本心理学会 心理学ワールド 104号 空間認知の科学 最前線



