味噌の栄養は本当に健康的?加熱や塩分の疑問をわかりやすく解説

当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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日本人にとって馴染み深い調味料の1つである、味噌。
その栄養が注目される一方で「本当に体にいいの?」「塩分が多くて健康に悪いのでは?」といった疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、味噌に含まれる栄養や、近年の研究でわかってきた健康との関連についてわかりやすく解説します。
毎日の食卓で健康的に味噌を取り入れるポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
味噌の栄養は体にいい?

味噌は昔から「体にいい」と言われてきましたが、近年その健康効果を示すさまざまな研究結果が報告されています。
たとえば日本人を対象とした調査では、味噌や納豆といった発酵性大豆食品の摂取量が多いほど総死亡のリスクが低いとの報告があります(※)。
なお、豆腐(非発酵性大豆食品)では同様の傾向はみられませんでした。
この違いは、発酵性大豆食品は加工の過程で大豆に含まれる栄養成分消失の少なさが一因と考えられています。
大豆に含まれるたんぱく質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンなどの栄養素が健康によい影響を与えることはご存知の方もいらっしゃるでしょう。
このような栄養素が味噌を始めとした発酵性大豆食品には多く残っており、これが長寿に関わっている可能性があると考えられているのです。
ただし、「味噌を食べていれば健康が維持できる」わけではありません。
それどころか、味噌ばかり食べていては摂取できる栄養が偏り、健康を害する可能性もあります。
バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠など生活全体を整えたうえで、味噌を適量取り入れるとよさそうですね。
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味噌に含まれる栄養と効果

味噌に含まれる特筆すべき栄養素といえば、五大栄養素(※)の1つでもあるたんぱく質です。
(※)五大栄養素とは、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルといった、私たちが健康な体を維持するために必要な栄養素のこと
そのほか、美容に嬉しいイソフラボンや食物繊維も含まれます。
これらの栄養とその効果について、詳しく見ていきましょう。
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体づくりに必須のたんぱく質
味噌は、大豆由来のたんぱく質を含みます。
たんぱく質は筋肉だけでなく、肌や毛髪、ホルモンなどをつくる材料となるため、あらゆる年代に必要な栄養素です。
なお、味噌に含まれるたんぱく質は100gあたり12.5g(※)で、卵2個分と同程度です。
(※)淡色辛味噌の場合
ただし1回の使用量が少ない傾向にある味噌だけで、十分な量のたんぱく質を補うことは難しいでしょう。
大さじ1杯(18g)の味噌で2.3gのたんぱく質が摂れますので、肉や魚、卵などほかのたんぱく質源となる食材と組み合わせながら、体づくりにお役立てください。
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美肌に嬉しい大豆イソフラボン
味噌には、大豆特有の成分である大豆イソフラボンも含まれます。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンの1種であるエストロゲンと似た構造をしています。
そのため、大豆イソフラボンにはエストロゲンと同じような下記の働きが期待されているのです。
・骨粗鬆症の予防
・更年期障害の軽減
つまり、味噌は美容や健康が気になる方にオススメの食品といえるでしょう。
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腸内環境改善に役立つ食物繊維
味噌には、食物繊維も含まれます。
食物繊維は水に溶けやすい水溶性と溶けにくい不溶性に大別され、味噌には不溶性が多く含まれているのです。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やしてスムーズな排便を促す働きがあります。
さらに、食物繊維は善玉腸内細菌のエサにもなるため、腸内環境を整える効果も期待できます。
腸内環境が整うと、お腹がすっきりするだけでなく、肌荒れが改善するかもしれません。
実は、腸内環境がよくないと老廃物がスムーズに排出されず、肌トラブルの原因になることもあるのです。
「便秘になるとニキビや吹き出物が出やすくなる」と感じたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。
また余談ですが、発酵食品である味噌には、麴菌や乳酸菌などの善玉菌も含まれます。
つまり、味噌は食物繊維と善玉菌の両面から、腸内環境改善をサポートしてくれる食品なのです。
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加熱すると栄養はなくなるのか

味噌には乳酸菌のように熱に弱い成分も含まれるため、加熱すると栄養がなくなると言われることもあります。
一方でたんぱく質や大豆イソフラボン、食物繊維は加熱による影響を受けにくい栄養素です。
したがって加熱による栄養損失は気にしすぎることはありませんが、より効率よく栄養を摂りたい場合は加熱しすぎないように工夫するとよいでしょう。
たとえば味噌汁を作るときは、出汁で具を煮た後、火を止めてから味噌を加えます。
時間があるときは、数分おいて少し温度が下がったころに味噌を加えるのがオススメです。
味噌煮を作るときは、味噌の半量を入れて煮込み、仕上げに残りの味噌を加えるのも一つの方法です。
ちなみに、味噌を煮立ててしまうと、香りやうま味も減少します。
加熱しすぎないことは、栄養を保つだけでなく味噌の美味しさを活かすことにもなるでしょう。
種類によって栄養価は違う?
味噌には、米味噌、麦味噌、豆味噌などさまざまな種類があり、たんぱく質や食物繊維の量が異なります。
| 種類 | たんぱく質 | 食物繊維総量 |
| 米味噌(甘味噌) | 9.7g | 5.6g |
| 米味噌(淡色辛味噌) | 12.5g | 4.9g |
| 米味噌(赤色辛味噌) | 13.1g | 4.1g |
| 麦味噌 | 9.7g | 6.3g |
| 豆味噌 | 17.2g | 6.5g |
| ※100gあたり |
なお、米味噌や麦味噌は米や麦から作った麹と下処理した大豆を合わせて作ります。
米味噌は麹と塩の量によって味覚が異なり、甘味噌・辛味噌などに分けられるのです。
一方、豆味噌は大豆と塩、水のみを原料として作られます。
豆味噌は、ほかの味噌と比べてたんぱく質や食物繊維の量が多めですね。
インスタント味噌汁の栄養はどうか
インスタントの味噌汁にも味噌由来の栄養が含まれます。
ただし、家庭で作る味噌汁よりも具が少なかったり、塩分量の多いものもあるため注意が必要です。
・味噌の使用量を減らす
・減塩タイプを選ぶ
このような工夫を取り入れると、栄養バランスが整いやすくなるでしょう。
味噌は塩分多めで健康に悪い?

「塩分が多く体に悪い」や「血圧を上げる」など、味噌に対してネガティブな話を耳にしたこともあるでしょう。
しかし「味噌=健康に悪い」わけではありません。
味噌の注意すべき点や優れている点を理解して取り入れることで、健康維持につながる食材なのです。
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塩分量を知ろう
味噌の種類によって、含まれる塩分量は異なります。
下記に、代表的な味噌の塩分量をまとめますので参考になさってください。
| 種類 | 100gあたりの食塩量 | 大さじ1の塩分量 |
| 米味噌(甘味噌) | 6.1g | 1.1g |
| 米味噌(淡色辛味噌) | 12.4g | 2.2g |
| 米味噌(赤色辛味噌) | 13.0g | 2.3g |
| 麦味噌 | 10.7g | 1.9g |
| 豆味噌 | 10.9g | 2.0g |
なお、味噌汁1人前に使われる味噌は大さじ1(18g)が目安とされており、淡色辛味噌の場合は塩分2.2gとなります。
日本人の食事摂取基準による食塩摂取量の目標量は、1日あたり男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
また、血圧が気になる方は塩分1日6g未満を目指すことが勧められています。
そのため、1日に何杯も味噌汁を食べると目標量をオーバーする可能性があるのです。
塩分は味噌以外の食品にも含まれますので、食事全体を見直し、味噌の食べる頻度や量を調整できるとよいでしょう。
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健康的に味噌を取り入れるコツ
健康を気遣いながら味噌を取り入れるには、野菜や果物などカリウムの多い食品と組み合わせることがポイントです。
実は最近の研究で、味噌の摂取量と高血圧の有無には関連がなかったとの報告がありました(※)。
その理由として、味噌をよく食べる人ほど野菜や果物を含むさまざまな食品の摂取量が多く、塩分の排出を促すカリウムも十分に摂っていると考えられているのです。
味噌汁を具沢山にする、食後に果物を摂るなど、できることから始めてみてはいかがでしょうか?
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まとめ
味噌は、たんぱく質や大豆イソフラボン、食物繊維などを含む、栄養価の高い発酵食品です。
塩分が気になる存在と思われがちですが、量や食べ合わせを意識することで、健康や美容を支える強い味方となるでしょう。
忙しい毎日の中でも、味噌汁のような手軽な料理で取り入れられるのも味噌の魅力です。
当記事をきっかけに、味噌をより賢く、前向きに取り入れていただけたら嬉しいです。
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参考文献
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策研究所予防関連プロジェクト 大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
みそ健康づくり委員会 新みそを知る
MDPI Association between the Portion Sizes of Traditional Japanese Seasonings—Soy Sauce and Miso—and Blood Pressure: Cross-Sectional Study Using National Health and Nutrition Survey, 2012–2016 Data




