低GI食品を一覧で紹介!ダイエットや健康維持に効果はあるの?

当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
「最近、お腹周りが気になってきた」
「健康診断で血糖値を指摘された」
このような悩みを抱え、健康について調べていると「低G食品I」という言葉を耳にすることもあるでしょう。
そこで今回は、低GI食品を一覧で紹介しつつ、ダイエットや健康管理に役立つ理由をわかりやすく解説します。
無理な食事制限ではなく「賢く選ぶ」ことで食生活を改善してみませんか?
目次
低GI食品とは

低GI食品とは、食後血糖値の上昇が緩やかな食品のことです。
食後に血糖値が急激に上昇すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が過剰になるなど代謝の異常を引き起こし、体に負担がかかります。
つまり、低GIを心がけた食事にすることで、インスリンの過剰分泌が抑えられ、健康的な体づくりに役立つのです。
関連記事
【医師監修】インスリンとは〜糖尿病との関係・治療・注射についてわかりやすく解説〜
そもそもGI値って?
GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。
血糖値に影響を与える栄養素は、主に炭水化物(※)。
(※)炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせた総称。血糖値に影響を与えるのは、糖質である
さらに、同じ糖質でも食品によって血糖値の上がりやすさが異なります。
そのため、炭水化物や糖質の摂取量だけでなく質にも配慮することが、血糖管理につながるのです。
この質を判断するのに役立つ指標がGI値であり、一般的な分類は下記のとおりです。
・中GI:56~69
・低GI:55以下
なお、GI値の高い食品ほど食後血糖値が急激に上昇しやすいといわれています。
関連記事
【医師監修】食後高血糖になるとどんな症状が起こる?〜改善方法を紹介〜
炭水化物と糖質は違うもの?〜目安量・食物繊維との関係・計算方法も~
低GI食品を一覧で紹介
具体的にどのような食品が低GIに分類されるのかを一覧で紹介します。
いつもの食事でよく食べる高GI食品を低GI食品に置き換えることから始めてみませんか?
| 低GI食品(GI値55以下) | 高GI食品(GI値70以上) | |
| 主食 | 玄米、大麦、スパゲッティ、そば | 白米、白パン、コーンフレーク |
| 野菜 | さつまいも、れんこん | かぼちゃ、じゃがいも |
| 菓子 | ゼリー、高カカオチョコレート | せんべい、キャンディー、ドーナッツ |
なお、一般的に肉や魚、乳製品、葉物野菜はGI値が低い傾向にあります。
コンビニで買えるものはある?
低GI食品は、コンビニでも手軽に購入できます。
| 主食 | 玄米おにぎり、ざるそば、サラダスパゲッティ |
| おかず | サラダチキン、魚の塩焼き、ゆで卵、冷奴、野菜サラダ、海藻サラダ、白菜の漬物、もずく |
| 飲み物 | 牛乳、お茶、無糖コーヒー、無糖紅茶、、無糖豆乳、100%フルーツジュース |
なお、商品を選ぶときには下記のポイントを参考になさってください。
おにぎり・パン類の選び方
おにぎりの場合は、白米よりも玄米やもち麦(大麦の1種)の入ったものがオススメです。
パンは白いものより、全粒粉やライ麦、ふすま(小麦の外皮)入りを選べばGI値を抑えられます。
商品パッケージにGI値を記載しているものはあまり見かけないため、原材料表示をチェックするとよいでしょう。
関連記事
玄米は糖尿病にいい?~血糖値の上がり方をもち麦や雑穀米と比較~
もち麦に含まれる栄養・効果とは?~ほかの穀類との比較もサクッと紹介~
糖尿病でも安心してパンを食べるためには?~食べる量や選び方を解説~
お惣菜やサラダを活用する
サラダチキンや豆腐は手軽にたんぱく質を補える、優れた低GI食品です。
また葉物野菜や海藻たっぷりのサラダは、GI値が低いだけでなく、糖の吸収を穏やかにする食物繊維も補えます。
オススメのおやつを紹介
オススメの低GIおやつは、下記のとおりです。
・高カカオチョコレート
・無糖ヨーグルト
・フルーツゼリー
これらのおやつも、食べすぎは禁物です。あらかじめ食べる量を決めてから楽しみましょう。
関連記事
ダイエット中の間食でオススメなものとは?〜選び方やレシピも大公開~
なぜ低GI食品を意識するとよいのか

低GI食品を意識すれば、単に食後血糖値の上昇が穏かになるだけでなく、病気の予防につながると考えられています。
たとえば、複数の研究結果を統合し分析した報告によると「GI値の高い食事を続けると糖尿病や心筋梗塞の発症リスクを高める可能性がある」と示されています。(※1)
また、メタボリックシンドロームとの関連も示唆(※2)されており、血糖値の急激な変動が体に与える影響は少なくないといえるでしょう。
ただし、現時点では「GI値を○○以下にしましょう」といった明確な基準はありません。
健康維持の一環として、食品選びの参考になさってくださいね。
(※1)Glycemic index, glycemic load, and chronic disease risk—a meta-analysis of observational studies
(※2)Dietary glycemic index and load in relation to metabolic risk factors in Japanese female farmers with traditional dietary habits
ダイエット効果はあるの?
低GIを意識した食事は、ダイエットの強い味方にもなるでしょう。
なぜなら低GIの食事には、脂肪の蓄積を抑えたり、食べすぎを防いだりする効果が期待されるからです。
これらのメカニズムを詳しく見ていきましょう。
関連記事
【医師監修】血糖値とダイエットの関係~急上昇を防ぐ食べ方で太りにくい食生活に~
脂肪の蓄積を抑える
低GI食品を活用すると、脂肪の蓄積を最低限に抑えられるでしょう。
お伝えしているように、血糖値が急激に上昇するとインスリンが過剰に分泌されます。
インスリンには血液中の糖をエネルギーとして細胞に取り込むとともに、使い切れなかった糖を中性脂肪に変えて体に蓄える働きも担っています。
つまりインスリンが大量に分泌されると、体に脂肪が蓄積されやすくなるのです。
低GIの食事を摂れば適量のインスリンが分泌されるため、太りにくい体づくりにつながるでしょう。
食べすぎを防ぐ
低GI食品は、満腹感が持続するため食べすぎ防止に役立ちます。
「さっき食べたばかりなのに、もうお腹が空いた」と感じることはありませんか?
高GIの食事を摂ると、食後の血糖値が急激に上昇したのち急降下するため、強い空腹を感じることがあるのです。
一方で低GIの食事は血糖値が緩やかに変動するため、満腹感が長く続き不必要な間食を防ぐ効果が期待できます。
関連記事
【医師監修】血糖値スパイクとは?食後に注意!原因と予防をわかりやすく解説
低GI食品の注意点

「低GI=低カロリー」でないことは、しっかりと覚えておきましょう。
低GI食品は食後血糖値の上昇が穏やかな食品であって、カロリーが低い食品とは限りません。
たとえばナッツは一般的に低GI食品ですが、脂質が多くカロリーは高めです。
低GI食品だからといって油断し、たくさん食べればカロリーの過剰摂取となり、体重が増加したり、病気になったりするでしょう。
また、低GI食品もたくさん食べれば血糖値が急激に上昇する可能性があります。
健康によい、ダイエットによいなどといわれている食べ物も、適量を食べるように心がけましょう。
関連記事
ナッツ類と血糖値の関係〜見落としがちな点をシンプルに解説〜
食後血糖値の上昇を抑える食事の摂り方

食後血糖値の上昇を抑えるには、食材のGI値だけでなく食べ方の工夫も欠かせません。
以下3つのポイントを抑えることで、より効果的な血糖管理が期待できます。
②よく噛んでゆっくりと食べる
③べジファーストを意識する
食事を抜いたり、1回の食事でまとめてたくさん食べたりすると食後の血糖値が上昇しやすくなります。
朝・昼・夕と1日3食適量の食事を摂ることで血糖値が必要以上に上がりにくくなるでしょう。
またよく噛んでゆっくりと食べることで、消化吸収が穏やかになり、食後血糖値の急上昇が防げます。
さらに、食べる順番にも配慮できるとよいですね。
食物繊維を多く含む野菜や海藻、きのこを食事の始めに摂り、次にたんぱく質を多く含む肉や魚、最後に糖質の多いご飯やパンなどを食べると、食後血糖値の上昇が穏やかになるといわれています。
もちろん、血糖値の変動には個人差がありますので、食事全体の内容や生活習慣の見直しと合わせて健康管理にお役立てください。
関連記事
食べて痩せるダイエット方法を解説~メニュー・レシピ・運動も~
まとめ
低GI食品は、ダイエットや健康管理に役立つ身近な選択肢です。
ご紹介した食品を参考にしつつ、賢く選んで食事を改善してみませんか?
それでは当記事をヒントに、低GI食品を日々の生活の中でご活用いただけたら幸いです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
【アプリのダウンロードはこちら】
ダウンロード:無料
App Store / Google Play

参考文献
PubMed International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values: 2008
J-STAGE 食事のGlycemic Indexと生活習慣病一次予防
Glycemic index, glycemic load, and chronic disease risk—a meta-analysis of observational studies
Dietary glycemic index and load in relation to metabolic risk factors in Japanese female farmers with traditional dietary habits



