ラ・フランスの栄養と食べ方〜1日何個まで?血糖値への影響も解説~

当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください
とろけるような食感と、上品な甘みのあるラ・フランス。
日本梨のシャキッとした食感とは異なり、濃厚な味わいが魅力の果物です。
秋から冬にかけて出回るラ・フランスを「スイーツ感覚で楽しんでいる」という方もいらっしゃるかもしれません。
一方で「糖分は大丈夫?」「1日に何個まで食べていいの?」など、気になることもあるでしょう。
そこで今回は、ラ・フランスの栄養や適量、血糖値への影響についてわかりやすく解説します。
美味しく食べるポイントについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ラ・フランス(洋梨)の栄養と効能

ラ・フランスには生活習慣病予防に役立つ食物繊維、高血圧予防に必須のカリウム、便秘対策に嬉しいソルビトールが含まれます。
なお、ラ・フランスは西洋梨の1種であり、栄養成分については一般的な西洋梨のデータを参考にしています。
関連記事
梨の栄養は健康や美容にいいの?~妊婦さんへの影響も詳しく解説~
生活習慣予防に役立つ食物繊維
食物繊維は、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルに次ぐ「第6の栄養素」とも呼ばれるほど、私たちの健康に欠かせない栄養素です。
食物繊維といえば、便秘予防に役立つイメージが強いかもしれません。しかし、ほかにもさまざまな働きを担っているのです。
たとえば、血糖値の急上昇を抑えたり、血液中の悪玉(LDL)コレステロールを減らすなど、生活習慣病の予防に役立ちます。
したがって、糖尿病や脂質異常症などのリスクが気になる方にとって、日常的に意識して摂りたい栄養素の1つといえるでしょう。
実のところ、ラ・フランスには日本梨の約2倍食物繊維が含まれます。
美味しさと健康に役立つ栄養素を兼ね備えている、ラ・フランス。食物繊維不足が気になる方にオススメの果物です。
関連記事
食物繊維を多く含む食べ物ランキング~ダイエット中にオススメな理由も解説~
【医師監修】糖尿病は生活習慣の改善で予防〜今から食事・運動・生活を見直そう〜
脂質異常症の食事改善ポイントとは?~管理栄養士がわかりやすく解説~
高血圧予防に必須のカリウム
カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあるため、高血圧の予防に役立ちます。
外食が多い、濃い味付けが好きなど塩分の摂りすぎが気になる方や、血圧が高めの方は、積極的にカリウムを摂りましょう。
なお、カリウムは水に溶けやすい性質があるため、茹でる、水にさらすなど調理の過程で流出しやすい栄養素です。
その点、ラ・フランスは生で食べられるので、カリウムを効率よく摂取できます。
関連記事
カリウムとはどんな働きがあるのか〜多く含む食品や効果的な摂り方も~
高血圧を予防する生活習慣とは~5つのポイントを各分野の専門家が解説~
便秘対策に嬉しいソルビトール
ソルビトールは、果物や海藻に含まれる成分です。保湿性に優れており、腸管内の水分を増やすため、便をやわらかくしてスムーズな排便を促します。
実際、海外ではソルビトールが下剤として利用されることもあるようです。
ただし、下痢を誘発するソルビトールの量は大人の場合20〜30gとされており、ラ・フランスを適量食べる分には過度な心配はいりません。
ラ・フランス(西洋梨)1個(200g)に含まれるソルビトールは5.6g程度ですから、1度に3〜4個食べない限り下痢を誘発する量にはならないのです。
ラ・フランスは血糖値を上げやすい?

ラ・フランスは、血糖値を上げにくい果物といえるでしょう。なぜなら、ラ・フランスは一般的な食品の中でGI値が低めだからです。
GI値とはグリセミック・インデックスの略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。GI値が低いほど、食後血糖値の上昇が緩やかになります。
とはいえ、ラ・フランスもたくさん食べると血糖値が急激に上昇することもあります。
そのため血糖値が気になる方は、食べる量に配慮が必要です。どのくらいが適量なのかは、後ほど詳しく解説します。
関連記事
低GIとは?ダイエットや健康管理に役立つ食品一覧&選び方のコツを紹介
カロリーはどうか
ラ・フランス(西洋梨)は1個(200g)あたり96kcalと、バナナ1本(100g)と同程度です。
では、ほかの果物とも比べてみましょう。
| カロリー | |
| ラ・フランス(西洋梨) | 96kcal |
| 日本梨 | 76kcal |
| りんご | 112kcal |
| ※1個(200g)あたり |
上記のとおり、ラ・フランスのカロリーは日本梨よりも高く、りんごよりも低いことがわかりました。
関連記事
梨はカロリー&糖質が低めでダイエットにオススメ!〜健康効果もご紹介〜
りんごはダイエットに向いている?糖質・カロリー・栄養から効果を解説
1日何個まで食べていいの?

ラ・フランスを食べるときには、1日1個を目安にしましょう。
なぜなら、厚生労働省が推進する「健康日本21」で、果物を1日200g摂るよう推奨しているためです。
実のところ、果物を1日200程度摂取することで、高血圧や肥満、2型糖尿病のリスクが低減すると報告されているのです(※)。
ただし、1日200gというのは果物全体の摂取量です。ほかの果物も食べるときには、その分ラ・フランスの摂取量を減らしましょう。
(※)厚生労働省 果物1日200gのすすめ
関連記事
【医師監修】糖尿病に果物は良い悪い?血糖値をあげにくいフルーツの食べ方を紹介
オススメの食べ方を紹介

食べ頃になっても果実の色が変化しないラ・フランスについて、美味しさのピークを見極めるとっておきの方法を紹介します。
手を汚さずに食べる方法もお伝えしますので、参考になさってくださいね。
食べ頃のサイン
ラ・フランスの食べ頃を見極めるポイントは、軸とその周りにあります。
収穫したばかりの頃は軸がピンとしていて、軸の周りも滑らかです。食べ頃になると、軸の周りにシワ(※)が寄り、軸がしおれてぐらぐら動くようになります。
(※)シワはわかりにくい場合もある
また、果実を手で包み込むように持つと、しっとりと手に馴染む感覚も得られるでしょう。
購入後であれば、軸周りの果実を指で軽く押してみるのも食べ頃を見極める方法です。耳たぶよりやや硬めが、美味しさのピークです。
美味しさを長持ちさせる方法
食べ頃になったラ・フランスを常温保管する場合、4日程度は美味しく食べられます。
もう少し長い期間保管したいときには、冷蔵庫で保管しましょう。そうすると、8日間程度は美味しさをキープできます。
手を汚さない食べ方
食べ頃になったラ・フランスは、縦半分に切って芯をくり抜き、スプーンですくって食べると、手が汚れにくいです。
「皮を剥くとき、手がべたべたするのが気になる」という方は、ぜひお試しください。
まとめ
ラ・フランスは、豊かな甘みとやわらかな食感を楽しむだけでなく、食物繊維やカリウム、ソルビトールなど健康に役立つ栄養素を含む果物です。
血糖値への影響は少ないとされていますが、1日1個を目安にほかの果物とのバランスに配慮しながら楽しみましょう。
食べ頃の見極め方や保存方法を知っておくことで、より美味しいラ・フランスを堪能できるでしょう。
それでは当記事を参考に、美味しさと健康に役立つ栄養素を兼ね備えているラ・フランスをお楽しみいただけたら嬉しいです。
なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
【アプリのダウンロードはこちら】
ダウンロード:無料
App Store / Google Play

参考文献
文部科学省 食品成分データベース
農林水産省 果物と健康
Dietary glycemic index and load in relation to metabolic risk factors in Japanese female farmers with traditional dietary habits
山形県 ラ・フランス果実取扱パンフレット



