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ひじきの栄養と効能効果~気になる噂についても管理栄養士が徹底解説~

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これって噂?ひじきは髪の毛に良いのか

当記事の執筆は、管理栄養士  松原知香が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

ひじきはわかめや昆布と同じ海藻の一種で、ミネラルや食物繊維といった健康に良い栄養を含んでいます一方で「体に悪い成分が含まれている」という情報もあり、食べるのを控えている方もおられるようです。

そこで今回は、ひじきの栄養について、栄養のプロである管理栄養士が詳しく解説いたします。「ひじきは髪に良い」という噂や、栄養を効率的に摂れるレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ひじきの栄養と効能効果

ひじきの栄養と効能効果

ゆでた乾燥ひじき100gには以下のような栄養が含まれています。

ひじきの栄養素

ひじきは食物繊維やミネラルを含んでいるので、食生活が乱れがちな方は積極的に食べていただきたい食材です。しかも、カロリーが低いのでダイエット中の方にもオススメですね。

では、各栄養について詳しく解説いたします。

食後血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。

ひじきに含まれているのは主に水溶性食物繊維で、水を含むとゼリー状になり余分な脂質や塩分を体の外に排出する働きがあります。また、小腸内で糖分の吸収するスピードを緩やかにする働きもあるため、食後の急激な血糖上昇を防げるのです。

ちなみに、不溶性食物繊維は便の量を増やすことで腸を刺激し、便通を促す効果があります。

こむら返りにカルシウム

カルシウムと聞くと、まず思い浮かべるのは「骨」ではないでしょうか。カルシウムは骨や歯の構成成分でもあり、普段から意識して摂りたい栄養です。

また、カルシウムは筋肉を収縮させる効果があります。よく足をつる人は、カルシウムが不足しているかもしれませんので、ひじきを食べてカルシウムを補給すると良いですよ。

ひじきの鉄を吸収率アップさせるには?

鉄分は肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜や海藻類に含まれる非ヘム鉄に分けられ、ひじきに含まれているのは非ヘム鉄です。

非ヘム鉄はヘム鉄と比べて体に吸収されにくいですが、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂取すると吸収率がアップします。鉄分は血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの構成成分として使われる他に、運ばれた酸素を筋肉中に保管する手助けもします。

鉄分が不足すると貧血になりやすいため、とくに女性は積極的に摂りたい栄養です。

むくみ・血圧予防にはカリウム

カリウムは体の余分な塩分を水分と一緒に排出する働きがあります。むくみや血圧が気になる方は積極的にとると良い栄養です。生の野菜に多く含まれているカリウムですが、ひじきなどの海藻類にも含まれています。

むくみが気になる方は、ひじきを使ったサラダなどでカリウムを摂ると良いですね。

これって噂?ひじきは髪の毛に良いのか

これって噂?ひじきは髪の毛に良いのか
 
「海藻を食べると髪の毛が黒くなる」という話を聞いたことがある方は多いかと思います。そのように言われる理由として、ひじきに含まれるヨウ素が髪の毛の主成分であるたんぱく質の合成を促す働きがあるからだと考えられます。

しかし、残念ながら直接髪の毛に効くといった科学的根拠はありません。髪の毛に良い成分を摂りたいと思った時には、ひじきと一緒にたんぱく質が豊富な食材をとると良いでしょう。

参考記事:【意外に知らない】わかめの栄養成分~健康効果を詳しく解説~

なぜひじきは栄養がないと言われるのか

乾燥ひじきを食べる際水で戻したり茹でたりと何度も水にさらすため栄養が流れてしまっているのでは?と考えている方が多いようです。

ひじきの栄養のうち、カリウムは多少水に溶けやすいですが、カルシウムや鉄については水に流れ出てしまうおそれはありません。むしろひじきは栄養が豊富なうえに低カロリーなので、ダイエット中の方にもオススメな食材です。

体に悪いヒ素が含まれているって本当?

ひじきには体に悪影響のあるヒ素が含まれている、というのは事実です。しかし、ひじきのヒ素について、厚生労働省は「体重50㎏の人が毎日4.7g以上を継続的に摂取しない限り限度を超えることはない」としています。

ひじきの煮物小鉢1杯分に使われる乾燥ひじきはおおよそ3gですので、毎日大量に食べない限りひじきが体に悪影響を及ぼすことはありません。

子供が食べても大丈夫か


子供についても、ひじきを大量に食べない限り影響がでることは考えにくいです。ただし、少量でもヒ素が含まれているなら子供に食べさせるのは控えよう、と思う方もおられると思います。

しかし、ひじきに含まれているヒ素は水に溶けやすく、乾燥ヒジキであれば「水で戻す」と5割程、直接「茹でる」と、8割減ることがわかっています。

ちなみに、最もひじきのヒ素を減らせるのは「茹でこぼす」方法です。

①乾燥ひじきを30分ほど浸けて水で戻す
②水を捨ててからお湯で茹でる
③茹で上がったら流水で洗う

この方法で約9割ヒ素を減らせます

たしかにひじきはヒ素を含みますが、栄養も豊富なので子供にも食べてもらいたい食材です。安心して食べられる方法で、普段の食事にひじきを取り入れると良いでしょう。

いつもと一味違う~ひじきの効果的なレシピをご紹介~

今回はひじきを使って一味変わったおしゃれなサラダをご紹介します。ひじきに含まれている鉄は、レモン汁のビタミンCやツナ・枝豆のたんぱく質と一緒に摂ると吸収されやすくなりますよ。

【ひじきのカラフルサラダ】

【ひじきのカラフルサラダ】

【材料】~2人分~
・乾燥ひじき      5g
・むき枝豆      20g
・コーン缶       20g
・パプリカ(赤)     1/8個(約20g)
・ノンオイルツナ缶  1缶
(ドレッシング)
・オリーブオイル     大さじ1
・レモン汁      小さじ2
・お酢       小さじ1
・塩、こしょう       少々

 
【作り方】
①ひじきは水に30分浸けて戻した後、沸騰したお湯で軽く茹でから冷水にさらし水気をよく切る
②パプリカは種をとり5㎜に角刻む
③ボールにドレッシングの材料を入れてよく混ぜる
④③に①と②、むき枝豆、コーン、ノンオイルツナ缶を入れてよく混ぜ合わせたら完成

【ポイント】
・茹でこぼすことで減ってしまうひじきのカリウムを補うために、生のパプリカを合わせています。
・定番のひじきの煮物など、和風の味付けに飽きたときにぜひ作ってみてください。

まとめ

ひじきには鉄分をはじめとしたミネラルや食物繊維といった栄養が含まれており、私たちの健康の維持に役立つ効果をもたらしてくれます。

一方で体に有害なヒ素が含まれているものの、水で戻したり茹でたりすることで含まれているヒ素の約9割を減らせます。正しい知識と対処法を知っておけば、安心して食べられますよ。
また、ひじきの栄養を効率的に摂れるレシピもご紹介しましたので、レパートリーに加えてみてください。

それでは当記事を参考に、いつもの食卓にひじき料理を1品取り入れて、健康的な毎日をお過ごしください!

なお、弊社の開発する無料の人気アプリ・シンクヘルスでは食事、体重、運動、血糖値の記録がとてもカンタンにできます。日々の健康管理・維持にぜひ活用してみてくださいね

【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
健康長寿ネット 
農林水産省 ヒジキにはヒ素が含まれていると聞きました
東京都福祉保健局 ひじきに含まれるヒ素

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