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糖尿病とおせち料理の付き合い方~食べ方のポイントを解説~

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糖尿病とおせち料理の付き合い方~食べ方のポイントを解説~

当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
*シンクヘルスブログ監修・執筆者情報一覧はこちらをご覧ください

新年のお祝いであるお正月の食べ物といえば、おせち料理ですよね。

おせち料理は縁起をかついだ日本の伝統料理です。ただしおせち料理は味の濃いものや甘いものが多く、糖尿病の方は食べてもよいのか悩むかもしれません。

そこで、今回は糖尿病の方がおせち料理を食べる際のポイントについて、わかりやすくお伝えします。

糖尿病の方はおせち料理を食べられるの?

もちろん糖尿病の方でもおせち料理を食べられます。ただし、食べる量や順番に注意するポイントがあるので、しっかりと押さえておきましょう。

ちなみにおせち料理はまだ冷蔵庫がない時代、糖分や塩分の多い味付けで保存性を高めていました。その名残りで、現代のおせち料理も濃い味付けが主流です。

味の濃い食事は、調味料を多く使う分カロリーや糖質が増えるほか、食べすぎる原因になります。さらに塩分の摂りすぎは高血圧症を引き起こす可能性があります。糖尿病の方は高血圧症になりやすいので、予防のためにも減塩が大切なのです。

そのため糖尿病の方が食べるおせちを準備する際は、以下の点を心がけるとよいでしょう。

・おせち料理を自宅で作るのであれば薄味にする
・購入するのであれば糖質や塩分控えめなものを選ぶ


さらに、食べる量や順番に気を付ければ、糖尿病の方でもおせち料理を食べられます。なお市販でオススメのおせちは、後ほど紹介いたしますね。

おせちを食べる際のポイント

おせちを食べる際のポイント

それでは、糖尿病の方がおせち料理を食べる際のポイントを解説いたします。

①量

まずは食事の量です。糖尿病の方に限らず、人には1日に摂るべき適切なエネルギー量があり、体格と活動量で決まります。

糖尿病の方は、 性別・年齢・血糖コントロール・合併症の有無によって必要なエネルギー量が違うので、担当医に指示を仰いでください。

②順番

次におせち料理を食べる順番です。 血糖値を急上昇させにくい食べ方は、食物繊維の多い食材を最初に食べる方法です。

食物繊維が豊富なごぼうなどの野菜が入った煮物を、最初に食べるとよいでしょう。大根と人参が色鮮やかな紅白なますもオススメです。

参考記事:血糖値を上げない食べ方について管理栄養士が解説~順番や糖質量も~

③バランスよく

バランスのよい食事とは、主食・主菜・副菜のそろったものをいいます。

お正月料理は普段の食事と比べてわかりにくいですが、

主食 餅
主菜 エビ・数の子・伊達巻・かまぼこ・昆布巻き・田作り
副菜 煮物・紅白なます・たたきごぼう

上記のようにわけられます。

餅は1~2個、主菜と副菜にあたるおかずはそれぞれ小鉢1つ分程度の量を意識して食べましょう。

なお、おせち料理は砂糖を使用したものが多く、栗きんとんや黒豆はとくに糖質が高いです。栗きんとんや黒豆はおかずでなく、間食のようなものと考えて食べてくださいね。

④時間を決める

ダラダラ食べないためにも3食のリズムは守り、食べる時間を決めましょう。とくに、お正月は夜更かしや朝寝坊、普段会えない人との集まりなど、生活リズムが乱れがちです。

対策法としてはテーブルやコタツの上など、見えるところに食べ物を置きっぱなしにしないようにするとよいですね。

また、夜遅くに食事をすると食後に血糖値が急上昇しやすく、翌朝まで高血糖状態が続くこともあります。夜更かししながら小腹が空いたからといって、ついつい食事や間食を摂らないよう気を付けてください。

もし口さみしいと感じた時は、温かいお茶無糖の炭酸水を飲むとよいですよ。お正月用に普段は買わないようなちょっといいお茶や瓶入りの炭酸水を用意しておくと、非日常感が味わえるのでオススメです。

注意して食べたいおせち料理3選

ほとんどのおせち料理には、保存性を上げるために砂糖が多く使われているので、糖尿病の方は注意したいです。その中でもとくに砂糖の使用量が多いおせち料理を3つ紹介します。

①栗きんとん

①栗きんとん

栗きんとんは裏ごししたさつまいもに砂糖を加えてなめらかに練り上げた、芋あんのようなものです。栗の甘露煮も栗をシロップで似たものなので、おかずではなく間食の1つと考えましょう。

1日あたり、小鉢1/2皿分が目安量です。

②黒豆煮

②黒豆煮

黒豆煮の材料である豆は良質なたんぱく質を含む黒大豆ですが、甘煮にする際にかなりの量の砂糖を加えます。栗きんとん同様に間食として食べるとよいですね。

1日あたり、小鉢1皿分が目安量です。

③伊達巻

③伊達巻

伊達巻の主な材料は、卵と魚のすり身です。家庭で作る場合は、魚のすり身をはんぺんで代用することも多いでしょう。そして砂糖を加えてきれいに焼き上げます。

伊達巻の見た目は卵焼きやだし巻きのようですが、糖質が多めなので1食あたり1切れが目安です。

洋風おせちなら大丈夫なのか

洋風おせちは和風おせちと比べて糖質量は少ないですが、ローストビーフや揚げ物などカロリーの高いものが入っているので注意が必要です。

多くの糖尿病の方は、糖質と一緒にカロリーにも気をつけなくてはなりません。カロリーの摂りすぎは、糖尿病だけでなく動脈硬化を進行させる可能性があるからです。

洋風おせちを食べる場合は脂身の多い肉や揚げ物を避けて、サーモンなどの魚介類や蒸し物をメインに食べるとよいでしょう。また、野菜のマリネサラダを組み合わせてよい食事バランスを心がけるとなお良いですよ。

お雑煮や間食にも気を付けよう

お雑煮や間食にも気を付けよう

お正月はおせち料理以外に、お雑煮や間食を食べる機会が増えます。

糖尿病の方に食べてはいけないものはありませんが、食べすぎは厳禁です。お雑煮のお餅は1食1~2個間食は糖質10g以下を意識して、いつも通りの食事に近づけるようにしましょう。

参考記事:糖尿病に間食&おやつはダメ?現役栄養士が徹底指導

お酒は飲んでもいいの?

主治医の許可が出れば、糖尿病であってもお酒を飲むことはできます。ただし、飲酒後は一時的に血糖値が上昇するほか、薬の効きを悪くする可能性があります。必ず適量を守りましょう

ちなみに1日の適量は男性で、ビール500ml1本、日本酒の場合1合です。女性は男性の半分の量が適量といわれています。

参考記事:糖尿病と飲酒の関係~アルコールの影響や飲み過ぎないための秘訣を紹介~

市販の糖質オフおせち料理もオススメ

市販の糖質オフおせち料理もオススメ

くり返しになりますが、おせち料理は味の濃いものが多いです。薄味のおせち料理を手作りしてもいいですが、糖質オフや減塩の市販品もオススメですよ。手軽に取り入れられるので、ぜひお試しください。

紀文 糖質50%オフおせち詰め合わせセット

一般的なものと比べて糖質を50%オフにした、紅白かまぼこ・伊達巻・錦玉子のセットです。

減塩のかまぼこはよく見かけますが、このセットではめずらしい「糖質オフ」のかまぼこが食べられます。

参考:株式会社 紀文食品

紀文 人気おせち詰め合わせ(9品)

甘さ控えめの伊達巻・栗きんとん・黒豆・田作り・昆布巻きが入ったセットです。あくまで甘さ控えめなので糖質オフではありませんが、一般的な商品より少し糖質が抑えてあると考えられます。

参考:株式会社 紀文食品

まとめ

以上、糖尿病の方がおせち料理を食べる際のポイントについてお話しいたしました。

糖尿病の方は

①普段の食事量の中で食べることを意識する
②食物繊維の多いものから食べる
③おせち料理を主食・主菜・副菜に振り分けてバランスを整える
④3食のリズムを崩さず食べる時間を決める

に気を付けておせち料理を食べるとよいですね。

お正月は「ハレの日」といわれ、お祝いを楽しむ日です。「ケの日」である日常生活を健康に過ごせるよう当記事のポイントを押さえて、おせち料理を楽しみましょう。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
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【参考文献】
国立国際医療研究センター(糖尿病情報センター)糖尿病の食事のはなし(実践編)
alic農畜産業振興機構 おせち料理と砂糖
日本農芸化学会 化学と生物 食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える

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