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春菊の栄養と効能~健康効果とお手軽レシピをあわせて徹底解説~

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春菊の栄養と効能~健康効果とお手軽レシピをあわせて徹底解説~

当記事を監修した専門家:管理栄養士 松原知香 、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)

春菊といえば、すき焼きなどの鍋料理によく使う食材ですよね。

そんな春菊はビタミンやミネラルといった栄養を豊富に含み、最近ではサラダで食べられるような新品種も開発されています。

そこで今回は、調理のバリエーションが豊かな春菊の栄養と効能についてご紹介します。ほかの食材との食べ合わせや、妊婦さんへの影響など気になる情報についても解説いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

春菊の栄養素と効能

春菊は独特な香りが特徴的なキク科の葉物野菜で、健康と美容に関わる栄養を含んでいます。では、それぞれの栄養がどのような働きをするのか見ていきましょう。

生活習慣病予防にも効果があるβカロテン

βカロテンは色素の一種で強い抗酸化作用を持ち、活性酸素という物質を減らす働きをします。

活性酸素は正常な量であれば私たちの体に有益な物質ですが、必要以上に蓄積されると酸化ストレスにより糖尿病や虚血性心疾患など生活習慣病を引き起こす可能性があります。

というのも、私たちの体には活性酸素を減らす酵素が存在しますが、年齢とともに少なくなってしまうのです。

しかし、春菊などβカロテンを豊富に含む野菜や果物を食べることで、生活習慣病を予防できると考えられています。

むくみ解消にカリウム

むくみ解消にカリウム
カリウムには、塩分を排出する働きがあります。

そもそも私たちの体は塩分を多く摂ると体に水分をためこもうとして、足や顔がむくんでしまいます。

そこでカリウムの出番です。カリウムは体内の余分な塩分を水分と一緒に排出して、むくみを解消します。

また、カリウムは水に溶けやすい特徴がありますので、茹でる時間を短くすることでカリウムがゆで汁に流れ出てしまう量を最小限にできますよ。

美肌作りに役立つビタミンC

ビタミンCは、美容と健康の両方に働きかけてくれます

ハリのある肌を保つためにはコラーゲンが欠かせません。ビタミンCはコラーゲンを作る時に必要な栄養なのです。

また、シミが増えると肌がくすんで見えてしまいますよね。ビタミンCには、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑えて、日焼けを防ぐ作用もあります。さらに、抵抗力を強めてストレスや風邪に負けない体づくりにも役立ちます。

春菊を食べてビタミンCを摂ると、美肌を目指せるだけでなく健康な体づくりに役立つのがうれしいですね。

骨粗しょう症予防になるカルシウム

カルシウムは骨や歯の構成成分に使われ、丈夫な体づくりを助けてくれます

そしてカルシウムの代表的な食材といえば牛乳ですが、実は春菊のような葉物野菜にもカルシウムは含まれているのです。

そもそも骨の量は20代がピークとなり、その後加齢とともに減ってしまいます。また、女性は閉経による女性ホルモンの減少とともに、骨粗しょう症のリスクが上がると言われています。

牛乳などの乳製品に加え、春菊を使ったメニューを普段の食事に取り入れることで、上手にカルシウムを摂取できますよ。

カルシウムの沈着に効果があるビタミンK

ビタミンKはカルシウムを骨に沈着させる働きがあり、丈夫な骨を作る上で欠かせない栄養素です。そのため、骨粗しょう症の治療薬にも使われています。

油と相性が良いため、春菊のようにビタミンKを含む食材を調理するときには、油を使ったレシピにすると効率よくビタミンKを吸収できます。



貧血を予防する鉄分

鉄分は、体に取り込まれるとヘモグロビンに変換され、酸素を運ぶ働きを担います。

鉄分が不足してしまうと、酸素が十分に運ばれないため、めまいやふらつきといった症状がでます。これが「貧血」です。

鉄分が含まれている春菊を食べれば、鉄分補給できると思われがちですが、実は春菊など野菜類に含まれる鉄分は、体に吸収されにくい非ヘム鉄という状態で存在します。

ただし非ヘム鉄は、ビタミンCと反応することで体に吸収しやすいヘム鉄になります。

あわせて春菊にもビタミンCは含まれていますが、より効率的に鉄分を吸収するためにはビタミンCを豊富に含んでいる食材と組み合わせるとよいでしょう。

サラダ春菊の栄養

サラダ春菊の栄養
春菊といえば、鍋にいれたりお浸しにしたりと加熱して食べることが多いですよね。生の春菊は独特な香りとえぐみがあり、生のままでは食べづらいといわれています。

そこで、最近では生でもおいしく食べられる「サラダ春菊」という新品種が開発されました。春菊を生で食べるメリットは、カリウムとビタミンCを損なわずに食べられることです。

カリウムとビタミンCは水に溶けやすい性質を持っているので、茹でると量が減ってしまいます。さらにビタミンCは熱に弱いため、加熱することでさらに量が減ります。

春菊の栄養を逃さずに摂るには、サラダのように生で食べることがオススメです。

春菊の栄養を効果的に摂る食べ方

春菊の栄養を効果的に摂る食べ方
春菊の栄養を効率的に摂る食べ方として、油を使った調理方法も挙げられます。春菊に含まれるβカロテンやビタミンKは油との相性がよく、一緒に摂ると体への吸収率を上げられます。

また、春菊の鉄分は体に吸収されやすい状態にするためにビタミンCと一緒に摂るとよいでしょう。

食べ合わせで悪い食材はあるのか?

春菊と食べ合わせが悪い食材として緑茶があります。

緑茶に含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害してしまうのです。また、緑茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、尿と一緒に体内のカルシウムも排出される可能性があります

緑茶以外に、コーヒーや紅茶にもタンニンやカフェインは含まれているので、春菊の鉄分やカルシウムの吸収に配慮する場合は、これらを飲む量に気を付けましょう。



春菊の食べ過ぎは体に悪い?

春菊には食物繊維が豊富に含まれています

一般的に食物繊維を摂ることで便秘を解消できますが、大量に摂ると便が固くなり逆に便秘を悪化させてしまう可能性があるのです。

ちなみに食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられ、春菊にはこの2つの食物繊維がバランスよく含まれています。

水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になり、余分な塩分や糖分を包み込んで体内に吸収するスピードを緩やかにしてくれます

一方、不溶性食物繊維は水を含むと膨らみ、腸内を刺激することで便通を促し便秘を解消します。どちらの食物繊維も、「水」が不可欠であることが共通しています。水分不足のまま大量に食物繊維をとってしまうと便が固くなり排便しづらくなってしまいます

春菊のように食物繊維を豊富に含んでいる食材は、1度にたくさん食べるのではなく小鉢1杯くらいの量を目安に食べるとよいですよ。その際には水分補給も忘れずに行いましょう。

妊娠中は食べてもよいのか

妊娠中は食べても良いの
春菊には胎児の発育に深く関わっている葉酸が含まれています。

妊娠初期には食事から葉酸を240μ摂取することが推奨されていますが、ゆでた春菊1人前(約60g)には60μgの葉酸が含まれており、推奨量の1/4の量を補えます。

他にも、春菊は妊娠中に必要な鉄分カルシウムといった栄養素を含んでいるため、妊婦さんにはぜひ食べていただきたい食材です。

春菊を使った簡単レシピ

春菊の栄養を効率よく摂る食べ方として、

・生で食べる
・油と一緒に食べる

という方法をご紹介しました。この2点を踏まえた、見た目にもおいしいレシピをご紹介します。

【春菊のミモザサラダ】
春菊を使った簡単レシピ

【材料】
・サラダ春菊     2株
・パプリカ     1/8個
・ゆで卵      1個
・ベーコン     1枚

(ドレッシング)
・オリーブオイル    小さじ2
・酢          小さじ2
・塩・こしょう        少々

 
【作り方】
①サラダ春菊とパプリカを食べやすい大きさに切る
②ゆで卵を黄身と白身に分けて、黄身は裏ごし、ゆでたまごは細かく刻む
③ベーコンを細切りし、フライパンでカリカリになるまで炒める
④ドレッシングの材料をすべてボールに入れてよく混ぜる
⑤お皿に切ったサラダ春菊とパプリカを盛り、その上に刻んだ白身、裏ごした黄身をのせる
⑥炒めたベーコンも盛り付け、ドレッシングをかけたらできあがり

くせの少ないサラダ春菊を使うことで、生でもおいしく食べられるレシピです。また、ビタミンCを含むパプリカを合わせることで、鉄分の吸収率も上がります

春らしいサラダで、食卓が一気に華やかになりますよ。

関連記事:パプリカはビタミンが豊富!~管理栄養士おすすめ美肌レシピもご紹介~

まとめ

春菊はβカロテンビタミンCといったビタミンやカリウムカルシウムなどのミネラルが含まれ、健康と美容によい食材といえます。

これらの栄養をとるのであれば生で食べるのが一番です。さらに、油やビタミンCと一緒にとることで、より効率的に吸収できます。

逆に、コーヒーのようなタンニンカフェインを含む食材は、鉄分やカルシウムの吸収を妨げてしまうので避けた方がよいでしょう。

生でも食べやすい新品種のサラダ春菊を使ったレシピも、ぜひ一度作ってみて下さいね。

それでは栄養豊富な春菊を献立に取り入れて、元気な毎日をお過ごしください。

なお弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。
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【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
公益財団法人 骨粗鬆症財団 予防について
国立健康・栄養研究所 食生活の10のポイント
JA全農 直売所向け野菜品種の紹介 しゅんぎく・レタス・ツケナ類・その他編

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