タラの栄養は家族を支える!高たんぱく質&低カロリーな魚の魅力とは?

当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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寒い季節になるとスーパーの魚売り場でよく見かける、タラ。鍋料理の定番食材として、食卓に並ぶ家庭も多いでしょう。
そんなタラは、高たんぱく質・低カロリーという特徴があり、健康が気になる家庭にぴったりの食材です。
そうはいってもタラは白身魚。「青魚ほどDHAが含まれていないのでは?」と気になることがあるかもしれません。
そこで今回は、タラに含まれる栄養や効能、青魚との違い、子どもの成長に適した食材なのかなど、わかりやすく解説します。
日々の食卓で安心して取り入れられるよう、ぜひ最後までご覧ください。
目次
タラ一切れに含まれる栄養と効能

タラには筋肉づくりに欠かせないたんぱく質や、骨の健康を支えるビタミンDなど家族の健康維持に欠かせない栄養素が含まれます。さっそく、詳しく見ていきましょう。
なお、タラにはマダラやスケトウダラなど数種類存在しますが、ここではマダラについて解説します。
筋肉づくりに必須のたんぱく質
タラ一切れ(約100g)に含まれるたんぱく質量は17.6gで、卵2個分(約100g)のたんぱく質よりも多めです。
たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの構成成分となったり、ホルモンや酵素など体を調節する役割があります。
つまり、たんぱく質は子どもにとっては成長を支える材料となり、大人にとっては筋力や免疫機能を維持する助けとなるのです。
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骨の健康を支えるビタミンD
タラにはビタミンDという、骨や歯の健康に必要な栄養素が含まれます。
骨や歯の健康といえば、カルシウムをイメージされる方が多いかもしれません。そのカルシウムの吸収率を高めてくれるのが、ビタミンDなのです。
本来、カルシウムは小腸での吸収率が25〜30%(成人の場合)とあまり高くありません。そのためビタミンDが不足すると、カルシウムも不足しやすくなるのです。
実のところ、ビタミンDは紫外線に当たることによって私たちの皮膚でも作られます。
しかし冬は日照時間が短く、体内でのビタミンD生成が少なくなりがちです。タラも活用しつつ、食事からしっかりとビタミンDを補えるよう心がけましょう。
なお、タラ一切れ(約100g)に含まれるビタミンDは1μgです。タラだけで1日の摂取目安となるビタミンD9μgを摂ることは難しいため、きのこなどほかのビタミンDを含む食材と組み合わせて摂るとよいですね。
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DHAも含まれる?青魚との違い

サバやイワシなどの青魚ほどではありませんが、タラにもDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれます。どのくらい含まれるのか、下の表で比べてみましょう。
| DHA | |
| タラ | 42mg |
| サバ | 970mg |
| イワシ | 870mg |
| ※100gあたり |
DHAは脂質を構成する要素である脂肪酸の1種で、脂ののった魚に多く含まれます。タラは脂質が少ない魚なので、脂質の多い青魚と比べてDHAが少ないのです。
ちなみに、同じく脂肪酸の1種であるEPA(エイコサペンタエン酸)もDHAと同様に、魚介類が主な摂取源です。
DHAやEPAには血液中の中性脂肪を下げたり、炎症を抑えたりする働きがあります。またDHAには、脳の機能を維持する働きがあると報告されています。
なお、タラの肝臓から抽出されたあぶらである「肝油」には、DHAが豊富です。一般的に、タラの肝油100gあたりに含まれるDHAは6200mgですが、加工されているものは商品によって異なります。
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タラはカロリーが低め
タラは脂質が少ないため、カロリーも低めです。
タラ一切れ(約100g)は72kcalと、卵1個分のカロリーと同程度なのです。
参考までに、青魚のカロリーとも比べてみましょう。
| カロリー | 脂質 | |
| タラ | 72kcal | 0.2g |
| サバ | 211kcal | 16.8g |
| イワシ | 156kcal | 9.2g |
| ※100gあたり |
このように、タラは低カロリー・低脂質な魚ですから、カロリーや脂質が気になる方に適した食材です。
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タラは子どもに適した食材なのか

タラは離乳食が始まったばかりの赤ちゃんでも食べられるほど、消化に優しくアレルギーを起こしにくい食材です。
骨をしっかりと取り除き、塩分などの味付け、十分な加熱に配慮すれば、赤ちゃんでも安心して食べられます。
また、成長期の子どもにとってもたんぱく質やビタミンDを補える嬉しい食材です。タラは脂質が少ないため、塾や部活終わりなど遅い時間帯の夕食にも適しています。
さらに、風邪を引いたときなど体調が優れないときにも、胃腸に負担をかけにくいタラが重宝するでしょう。
食べすぎは体に悪い?
家族の健康維持に役立つ栄養素を含むタラであっても、食べすぎには注意が必要です。
どの食材にもいえることですが、特定の食材ばかり食べていると栄養のバランスが崩れてしまうのです。ほかの魚や肉、野菜、ご飯など、さまざまな食材を満遍なく摂りましょう。
たらこの栄養はどうか

たらこには、タラに含まれる栄養として紹介した「たんぱく質、ビタミンD、DHA」が多く含まれています。
ところで、私たちに馴染みのあるピンク色のたらこは、スケトウダラの卵を加工したものだということをご存知でしょうか?
この記事で紹介しているマダラの卵もたしかに「たらのこ(たらこ)」ですが、スケトウダラの卵と区別して「まだらこ」や「真子(まこ)」と呼ばれることがあります。
なお、まだらこは食品成分表に掲載されていないため、栄養データが確認できませんでした。
たらこには栄養が多く含まれますが、過剰摂取に注意すべき塩分やプリン体が多く含まれるため、タラよりも食べる量に配慮が必要です。
たらこを食べる場合は10〜20gを目安とし、子どもの場合はさらに少なめに調整しましょう。
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まとめ
タラは低カロリーでありながら、筋肉づくりに必要なたんぱく質、骨の健康を支えるビタミンDが含まれます。
そのため、赤ちゃんから成長期の子ども、大人の健康管理まで、家族全員の健康管理に役立つ食材といえるでしょう。
くせのない味わいのタラは鍋料理だけでなく、ムニエルやホイル焼きなどさまざまなレシピで楽しめます。
ぜひ日々の食事に取り入れてみてくださいね。
それでは当記事を参考に、家族みんなでタラを楽しんでいただけたら幸いです。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット カルシウムの働きと1日の摂取量
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 【第19回】魚油



