血糖値と肝臓の数値が同時に高いのはなぜ?手軽な改善方法も紹介

当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。
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健康診断で「血糖値が高めですね。肝臓の値も少し気になります」と言われたことはありませんか?
血糖や肝機能は指摘されやすい検査項目ですが、原因はそれぞれ別にあると思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、血糖値と肝機能は密接に関係しており、どちらかの不調がもう一方に影響するとわかっています。
そこで今回は、血糖と肝臓の関係をわかりやすく解説し、すぐに始められる具体的な改善方法をご紹介します。
適切な方法で早めに対策すれば、今の生活を大きく変えることなく改善できますので、血糖値や肝機能が気になる方はぜひ参考になさってください。
目次
なぜ血糖値と肝臓が関係するのか

肝臓は食事から得た糖を貯蔵したり、必要に応じて糖を血液中に放出したりと、血糖値の調節に深く関わる臓器です。
そのため、肝臓の働きが低下すると、血糖の調節がうまくいかずに血糖値(血液中の糖濃度)が上がりやすくなります。
また、糖質に偏った食事や過食など、血糖値が異常に高くなるような食べ方をしていると、肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」になりやすいです。
この脂肪肝も、肝機能の低下や血糖値の上昇につながります。
一方、健康診断では「血糖値が高い」「肝臓の数値が高い」と別々に評価されることも多いでしょう。
そのため、甘いものを食べると血糖値が上がる、お酒を飲む人は肝臓が悪くなるなど別々の問題というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし実際には、血糖と肝臓は体内で密接につながっており、互いに影響し合っているのです。
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肝機能低下が血糖値を上げやすくする理由
肝臓の働きが低下すると、主に下記の理由で血糖値が上がりやすくなります。
・インスリンが効きにくくなる
通常、食事から得られた糖は血液を通って肝臓に取り込まれ、必要に応じて貯蔵されます。
しかし、肝機能が低下するとこの働きが弱まり、糖が十分に処理されないまま血液中に残りやすくなるのです。
さらに脂肪肝の状態では、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」も起こりやすくなります。
その結果、血液中の糖が取り込まれにくくなり、血糖値が下がりにくくなります。
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肝性糖尿病とは
肝臓の病気が進行し、血糖値が高くなった状態を「肝性糖尿病」といいます。
これは2型糖尿病とは異なり、肝臓の障害が原因となって起こる糖代謝の異常です。
そのため、肝性糖尿病には一般的な糖尿病とはやや異なる特徴があります。
たとえば、空腹時の血糖値はそれほど高くないけれど食後血糖値が高い、血縁者に糖尿病を持つ方が少ない、といった傾向があります。
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放置するとどうなるの?

血糖値と肝臓の異常は、初期段階の自覚症状がほとんどありません。そのため「まだ大丈夫」と思ってしまいがちですが、放置すると体への負担が少しずつ蓄積していきます。
糖尿病のリスク
血糖値の高い状態が続くと、やがて糖尿病へと進行する可能性があります。
糖尿病になると、血管に負担がかかり、さまざまな合併症のリスクが高まります。
・糖尿病網膜症
・糖尿病性腎症
・動脈硬化の進行による脳梗塞や心筋梗塞など
これらは生活の質に大きく影響する可能性があるため、早めの対策が重要です。
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肝臓病のリスク
健康診断でASTやALT、γ-GTPなど肝機能の数値が高めの場合、肝臓に負担がかかっていると考えられます。
この状態を放置すると、脂肪肝や肝炎、アルコール性肝障害などを引き起こす可能性があるのです。さらに状態が悪化すると、肝硬変や肝臓がんへ進行することもあります。
肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれており、異常があっても自覚症状のないことが多い臓器です。
そのため、症状の有無に関わらず、健康診断などで軽度異常が指摘された場合は生活習慣の改善を行い、要再検査や要精密検査の指摘があった場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。
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血糖値と肝臓を一気に対策!3つのポイントを紹介

血糖値と肝臓の改善となると「大変そう」と感じるかもしれませんが、適切に対策することで両方同時にアプローチできます。ここでは、食事、お酒、運動について解説します。
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バランスのよい食事を適量摂る
血糖値と肝機能を改善するには、食べる「もの」と「量」を見直すことが大切です。なお、基本的に「食べてはいけないもの」はありません。
大切なのは、特定の食品を制限するのではなく、食事全体のバランスと量を整えることです。
具体的には、主食(ご飯やパン、麺など)、主菜(肉や魚、卵、大豆製品など)、副菜(野菜やきのこ、海藻など)を揃えるよう意識してみましょう。
たとえば、コンビニでも「おにぎり+サラダチキン+サラダ」を選べば、主食、主菜、副菜を揃えられます。
このような食事は、糖質や脂質の摂りすぎを防ぎ、血糖値や肝臓への負担を軽減することにつながるでしょう。
また、食べすぎはエネルギーの過剰摂取となり、肥満につながります。肥満になると、血糖値が上がりやすくなったり、肝機能が低下しやすくなるため、食べる量にも注意が必要です。
間食や甘い飲み物、エナジードリンクなどもエネルギーの過剰摂取につながる可能性もありますので、量や頻度を見直してみましょう。
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お酒は適度に楽しむ
血糖値と肝機能を守るためには、飲酒の量と頻度も見直しましょう(※)。
(※)通院中の方は、主治医に飲酒の可否を確認してください
アルコールの影響には個人差もありますが、厚生労働省は適度な飲酒を1日平均純アルコール量20g程度(女性は10g程度)と示しています。
純アルコール20gの目安は、ビール500mlに相当します。そのほかの酒類については、下記の画像を参考になさってくださいね。

過度な飲酒は肝臓に脂肪を蓄積させやすく、脂肪肝や肝機能低下の一因となります。
また、アルコールの過剰摂取は糖代謝にも影響し、血糖値を変動させることもあるため注意が必要です。
これまで飲酒習慣があった方は、まず量を見直してみましょう。
毎日飲酒している方は、週に何度か休肝日を設けることも飲酒量の減少に役立ちます。
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+10分の運動を始める
運動もまた、血糖値と肝機能の両方によい影響を与えます。
運動すると、筋肉が血液中のブドウ糖を取り込みやすくなるため、血糖値の上昇を抑える効果が期待できるのです。また、継続的な運動は肥満の解消にも役立ちます。
肥満が改善されると、インスリンの効きがよくなり血糖値が安定しやすい、肝臓の脂肪が減少するといった効果が期待できます。
なお、血糖値の改善が期待される運動の目安は、下記のとおりです。
・筋力トレーニング:連続しない日程で週2~3日
ただし、週30〜100分ほどの運動でも、継続することで血糖改善効果が望める可能性もあるとされています。
そのため、現在運動習慣のない方は、1日10分運動することから始めてみてはいかがでしょうか?
忙しい方でも、10分であれば外出のついでや隙間時間を活用して行うことができるでしょう。
通勤中や昼休み、入浴前に体を動かすなど、日常の生活に運動を組み込めるよう工夫できるとよいですね。
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【よくある疑問】一歩を踏み出すためのQ&A

最後に、多くの方が感じる疑問にお答えします。「血糖値と肝臓が関係していることはわかったけれど、自分も対策する必要はあるのかな?」と感じている方は、ぜひご覧ください。
Q1.検査値が少し高いだけでも対策は必要?
軽度の異常でも、体内では変化が始まっています。一方で、この段階で生活習慣を見直せば、薬に頼らずに改善できる可能性もあります。
状態が悪化してからではなく、早めに対策することで、大きな不調を防ぎやすくなるでしょう。
Q2.自覚症状がないのに対策する必要はある?
前述のとおり、血糖値や肝臓の異常は、自覚症状がないこともあります。症状が現れる頃には病気が進行していることもあるため、早めに対策することが大切です。
そうはいっても、体調の変化が感じにくいと、改善のモチベーションが下がってしまうこともありますよね。
そのようなときには、日々の生活を「見える化」してみてはいかがでしょうか?
弊社の開発したアプリでは、体重や血糖値などの測定データと食事、運動などの記録をまとめて管理できます。体重や摂取カロリーの目標値も設定できるので、日々の変化や目標までの進み具合も一目でわかります。
数値や記録を客観的に見ることで「最近飲みすぎているな」「もう少し体を動かそう」といった気付きが生まれ、生活習慣を見直しやすくなるでしょう。
無料でダウンロード(App Store / Google Play )できますので、ぜひ一度お試しください。
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Q3.毎日忙しくても生活習慣は改善できる?
忙しい方でも、ちょっとした心がけで生活習慣の改善は可能です。ストイックな食事制限やきつい運動をする必要はありませんので、日々の生活で自然に続けられる改善方法を見つけましょう。
短時間の取り組みでも、積み重ねることで血糖値や肝機能の変化が期待できます。野菜のおかずを1品増やす、休肝日を設ける、昼休みに10分散歩するなど、できそうと思えることを1つ選んで始めてみましょう。
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まとめ
血糖値と肝臓の数値は別々の問題に見えますが、実際には密接に関係しています。
たとえば、肝臓に脂肪が溜まって肝機能が低下(肝機能の検査値が上昇)すると、インスリンの働きが弱まり、血糖値が上昇しやすくなります。
このようなときには、食事、飲酒、運動といった日々の生活習慣を見直しましょう。そうすることで、血糖値と肝機能の両方に改善が期待できます。
自覚症状がほとんどなく、検査値も少し高め程度の今こそ、ちょっとした心がけで体の負担を軽減できるチャンスです。
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参考文献
J-Stage 3. 肝硬変に伴う糖尿病(肝性糖尿病)
糖尿病診療ガイドライン2024 第4章運動療法




